Eri Wildeの那由多ブログ

エリワイルド(Eri Wilde)のブログです。 本名は福田英里子です。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。英語講師、日本語講師、通訳、香川せとうち地域通訳案内士、翻訳、SE、占い師、心理カウンセラー、YouTuberをしています。二人の兄弟の母親です。音楽(ピアノやウクレレの弾き語り)、アートなど多趣味です。次男は発達障害です。 お仕事のご用命は下記のメールアドレスまで宜しくお願い致します。eriwilde0@yahoo.co.jp

父が借金まみれで急逝

去る5月31日の早朝、普段電話をかけても出てくれさえもしない弟から、私の携帯に電話がかかってきました。

「お父さんが冷たくなっとる! 死んどるかもしれん!」

「ええっ!?」

母が救急車を呼び、弟を連れて病院まで行く間に、私は息子たちが学校に行くのを見送りました。

すると母から、父が40分も心肺蘇生装置にかけても心臓が動かないので、外してもよいか確認の電話がかかってきました。

私は、いいと言うより他にありませんでした。

私が病院に着くと、カーテンがかけられた霊安室に案内され、まだ血潮が鮮明で生きているかのような父が横たわっているのを見ました。

余りにも唐突な永遠の別れに、ただただ衝撃を受けて、しばらくの間立ち尽くしました。

待合室に戻ってしばらくすると、医師が死因の説明に来てくださいました。

CTを見たところ、主要な死因は、肺気腫による気胸であろうとのことでした。

肺の外に漏れだした空気が、心臓を端っこに押しやっていたそうです。

一般的に気胸には激しい痛みが伴うはずなのですが、父は痛みを訴えることなく、静かにこの世を去りました。

父の遺体を自宅まで葬祭場の方が連れて帰ってくださるまでに時間があったので、病院の待合室で親族に訃報を知らせました。

余りにも急な知らせに、誰もが言葉を失っていました。

父は創価学会員でしたので、葬儀は創価学会の友人葬になることは以前から知ってはいましたが、どのような手続きを取ればよいのか分からず、母と一緒に途方に暮れました。

幸い、私の幼馴染や、父の会社の従業員に学会員の方がいらっしゃったので、地区部長の連絡先を教えていただき、連絡が取れ、お通夜と葬儀の導師をお引き受け頂けました。

父が帰る前に、会社の人達が家の片付けをしてくださっていました。

葬祭場の方と様々な段取りについて話し合い、お通夜と葬儀の日時を決め、なんとか手筈を整えることができました。

そして、会社や自治会や学会の方々の手助けのおかげで、なんとか無事に葬儀を終えることができました。

父は生前、九州の佐賀県の唐津市の実家の祖母のお墓に入りたいと言っていたそうなので、分骨をそちらに入れて頂き、本骨壺を香川県にある創価学会の永代供養に入れて頂くことになりそうです。ゆくゆくは、母と弟もそちらでお世話になることに決まりそうなので、私もお墓のことを心配しないで良くなりそうです。

父の会社の仕事については、従業員の皆さんがきちんと処理してくださっていました。

ただ、私は、父の会社の財務状況について、その時までほとんど全く無知でした。

私は、数年前に精神疾患を理由に父の会社でのパートを辞めた後、私にしかできない仕事がある時だけ、父の仕事を手伝っていたに過ぎず、父の負債のことなど、怖くて話を切り出すことさえままなりませんでした。

しかし、いざ蓋を開けると、父の会社は、約3000万円に上る銀行からの負債と、約500万円のリースの残債を抱えていました。

そして、預金はほとんど残っておらず、客先からの支払いがあれば、そのほとんどが社員の給料の支払いに充てられるという状況でした。

無論、父は、銀行からの借り入れの連帯保証人になっていました。

又、母も約束手形の連帯保証人になっている可能性がありました。

父は、会社以外でも、個人的に様々な借金やクレジットの未払いを抱えていたようでした。

実家は店舗兼住宅になっており、そこで母は美容師をしています。

母の美容院の事業は、数年前に父の会社から分けられ、ガンちゃんという美容師さんが、個人事業主になって、母を雇用しているという形態になっています。

その店舗兼住宅は、父の名義になっているので、そのまま相続すると、母と私と弟が、父の債務を背負わされることになります。

父の会社の建物は父の会社の名義になっていますが、店舗兼住宅と会社の建物がある土地は、母の名義になっています。

私は、会社関連の法律や財務処理についての知識がほとんどありませんでしたので、必死に色々な情報を読み漁りました。

そして、数人の弁護士に相談しに行きました。

事前に、プラスの資産の分だけ負債を支払えば、自宅を奪われずに済むという、「限定承認」という方法があるという情報を仕入れていたので、それが可能かどうか尋ねました。

最初に相談した弁護士には、限定承認は「ムシがいい」からできない。会社を破産する際に、連帯保証人になっている者がいれば、その人も一緒に個人の自己破産をしないといけないと言われました。

つまり、もし母が連帯保証人になっていなければ、私が代表取締役になって会社と一緒に個人破産して、貯金や生命保険や車などすべてを債務の返済に充てなければならず、もし母が連帯保証人になっていれば、母が代表取締役になり、母に父の会社と一緒に破産して、家も土地も財産も渡さなければならないということでした。

私はこの弁護士の過激な発言にかなり打ちのめされましたが、そんなことでへこたれる訳にはいきませんでした。

諦めずに、弁護士どっとこむという、インターネットで弁護士に相談できるサイトで相談したところ、限定承認と破産を並行して行うことは可能ではあるが、手続きが大変であるということが分かりました。

そこで、もう一人の車で行ける距離に居を構えている弁護士に相談しましたが、弁護士事務所のウェブサイトに限定承認について書かれていたにも関わらず、限定承認には対応していないと断られました。

結局、インターネットで限定承認に特化して対応してくださる司法書士さんを見つけることができたので、そちらに依頼することを最初の相談の電話で即決しました。

大阪の司法書士さんですが、全国対応だということで、素晴らしいなと思いました。

又、その後、自宅から通いやすい所で、上記の司法書士さんと連携を取りながら、法人の破産に対応してくださりそうな弁護士さんも見つけることができました。

世の中には、士業を営む方々にも、色々な人がいらっしゃるのだなと心底驚きました。

ここに至るまでの2週間、母とガンちゃんと弟が家と仕事を奪われる危機を免れさせるため、東奔西走していましたが、生きた心地がしませんでした。

やっとのことで方針が決まり、ゆっくりと物事が前に進み始めています。

父の負債にも驚かされましたが、父が家や建物や土地の担保権のすべてを解除していたことを、法務局から不動産の登記内容証明書を貰ってきて初めて知り、びっくりしました。

又、最初、会社の経理の人が、父が医療保険を今年に入ってから解約し、生命保険には加入していないと言っていましたが、ファイルから生命保険の証券が見つかり、ほっと胸を撫でおろしました。

父は、あらゆる債務の支払いに追われながら、この保険の支払いだけは、死守していたことが、たくさんの通帳の履歴から見て取れました。

父が母に遺したこの1500万円を最大限に活用し、私は、父の会社の債務整理を行い、限定承認を完了することを目標に掲げることになりました。

父は生前、自分が統合失調症でひきこもりの弟の「後見人」になっていると言っていましたが、法的なものかどうか分からりませんでした。法務局に登記内容を確認しに行ったところ、弟には法的な後見人はついていませんでした。そういうわけで、弟は、実印を作って印鑑登録すれば、相続放棄ができる法的な能力を持っていることが分かりました。

この2週間の間に、様々な債権者さまとお話させて頂きました。

そして、最も大きな債権者である銀行の支店長さまから、父が亡くなるほんの数週間前に、父が手形を発行してもらいたがっていたけれども、支店長さまが、それは返済が困難になる危険があるので、止めておいた方が良いと諭してくださったそうでした。もしその手形が発行されていたら、母が連帯保証人になっていただろうということでした。つまり、母は幸い、どの銀行からの債務の連帯保証人にもなっていない状態になっていました。

母は極度額が600万円の約束手形の根保証の連帯保証人となる契約書はありましたが、手形自体が現在は存在しないということでした。

母が法律上背負わなければならない債務はないということで、ほっとしました。

しかし、母は父の会社の建物が第三者のものになることを嫌がっているので、会社の建物は、管財人さんが決まった際に、母が買い戻して、そのお金を少しでも債権者さまにお返しできるようにしたいと考えています。

又、父の会社の資産の価値は限られていますが、コンピューター関連機器はもちろん、カラオケ機器などの一風変わったものもあり、それで少しでも多くの債務を返済できればいいなと思っています。

このような状況下で、債権者さまに励まされるとは、世の中は本当に不思議なところだなとつくづく感じます。

私は、やはり、父の会社を破産させるためだけに、代表取締役という役職に就く必要があると、三人目の弁護士さまから伝えられています。

社長の娘という理由で、このような役割を務めなければならならず、世の中の理不尽や不条理を憎みたい気持ちにもなりますが、これも天命と諦めて、粛々と歩を進めるより他にないと自分に言い聞かせています。

三人目の弁護士さんによると、代表取締役に就いただけでは、父の債務の連帯保証人という立場を引き継ぐ必要はないということですが、債権者さま、特に信用保証協会が黙って引き下がってくださるかどうか不安で、私も眠れぬ夜が続いています。

母は、長年連れ添った夫に急に先立たれ、どうすれば良いのか分からず、息子も頼りにならないので、娘の私に頼るしかありません。

母は、父が署名を求めてきた書類の内容もろくに確かめずに、署名と捺印をし続けてきたそうです。母は、決して父に逆らったりせず、父がお金を出すように言ってきても、何も言わずに出し続けてきました。

それなのに、このような仕打ちはあまりにも残酷すぎます。

父の名前で次々に届く請求書は、開封せずに私に渡すように母に伝え、司法書士さんの指示通り、一切の支払いを行わないようにしています。

もし父の債務を肩代わりしてしまうと、限定承認ができなくなるからです。

父の個人的な債務の債権者にも申し訳ないのですが、もし支払いを行うと、住む家を追われる立場である母と弟の身の上をご理解頂くようひたすらお願いし続けるのみです。

これほどの借金を抱えながらも、父は気前よく他人のためにお金を使うような人でした。

又、なぜ父が無担保で銀行さんからそれほど多額の借り入れができたのかについてですが、父が電気設計の技術者として、それだけの負債を返済する能力があるという個人的な信頼を得ていたからという側面もありました。

父には、これだけの負債を自分なら返済できるという自信がありました。

しかし、造船業界の実情は、時代と共に移り変わってきており、会社に依頼される仕事の量は、ここ数年少なくなっていました。それは、コロナの影響ももちろんありますが、取引先の企業が他の大企業に買収されたために、父の会社への仕事の依頼が減っていたという側面もあったようでした。

父は、仕事がほとんどない時も、従業員の一時帰休や解雇をせず、給料を支払い続けました。

このような状況が今年の後半には改善し、何隻もの船の設計に取り組む予定であると父が言っていた矢先の、晴天の霹靂でした。

会社の残務処理については、たちまち請け負っている業務内容は、残された従業員でこなせる範囲内の内容であったので、区切りの良いところまででデータと書類を提出したものの、一社からの前払いの入金が止められておらず、どうしたものかと頭を抱えているところです。

リース契約や月払いの契約で、解約できるものは解約し、残債が残っているリースなどは現在はそのままにしている状態です。

経理担当者以外の従業員は6月15日付けで解雇となり、あらゆる債務や経費の支払いは停止となっています。

私は、これらの手続きを今のところ無報酬でしているのですが、自分の仕事が後回しになっている状態で、日銭を稼ぐのにも苦慮しています。

このようなことをブログに書いたとして、誰かが助けの手を差し伸べる義務がある訳ではないですが、少しでも自分の気持ちの整理にはなるだろうかと、書き綴っています。

私はただ、母と弟とガンちゃんの生活を守るためだけに、この任務を全うしたいと願っています。

父が残した保険金の1500万円を、私が母にどのように使って貰えばいいのか、父に尋ねる術はもうありませんが、父が生前、「借金返さないかんけん保険に入っとる」と言っていたので、なるべく債権者さまのためになるように使って貰いたいと思っています。

こんな私を心理的にも経済的にも支えてくれる、嫁ぎ先の家族が私の心の拠り所です。

こんな私を、神仏が光を照らしお導きくださることを、ひたすら信じようと努めている毎日です。

 

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女王蜂との熱き闘い

今年なぜか突然ガーデニングに目覚めた私ですが、庭中に生えかかっていた雑草をあらかた抜き終えた後、無造作に生い茂ったローズマリーを、さてどうしたものかと眺めていた時、一つの枝に作られた小さな蜂の巣と、それにしがみついているアシナガバチの女王蜂を見つけて、息を呑みました。

 

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六角形の小部屋は10個くらい作られていて、巣の一つ一つの小部屋の中には、一つずつ卵が産み付けられていました。一匹だけでここまでの巣を作るなんて、女王蜂は大したものだと感心しながらも、このまま放っておく訳にもいかず、どうしたものかと色々調べた結果、ハチを追い払う線香を炊き、女王蜂を追い払った後、巣がくっつけられているローズマリーの枝を切断することにしました。

 

実家から、念のためハチ用の殺虫剤も借りてきましたが、アシナガバチは益虫なので殺したくはありませんでしたので、これは巣を除去する時に女王蜂が帰ってきて襲ってくるという最悪の事態への対策としました。

 

我が家の庭には、花と言ってもせいぜい野草のカタバミタンポポに似たコウゾリナくらいしか咲いていないのですが、アシナガバチだけでなく、ミツバチクマバチ、時にはスズメバチも訪れる、蜂たちの楽園になっていて、ガーデンチェアーで本を読んでいると、彼らは羽音を鳴らして周囲を飛び回ります。良く見ていると、どうやら、隣の家の古い木の皮を巣の材料にするために訪れているようです。

 

アシナガバチはミツバチの巣を襲って幼虫を奪い、クマバチはアシナガバチの巣を襲って幼虫を奪うそうなので、壮絶な生存競争が、まさに我が家の庭で繰り広げられているというわけです。

 

アシナガバチの巣を奪うのは、子育て中の女王蜂に気の毒でしたが、人間の私も子育て中の母親なのだから、ここは諦めて欲しいとお願いしました。

 

線香を焚いても、女王蜂はなかなか立ち去らなかったのですが、私が周囲のローズマリーの枝を触れた振動に驚いて、逃げていった時に、素早く巣のついた枝を切断し、倉庫に隠しました。

 

しばらくすると女王蜂は巣があった場所に戻ってきて、そこにあるはずの巣がないことが信じられないとでも言っているかのようにしばらく飛び回っていましたが、ついには諦めてどこかに飛び去って行きました。女王蜂は、自分の巣が別の場所に移されると、もう自分の巣だと認識できなくなるそうです。

 

その後も、同じ女王蜂かどうかは分かりませんが、庭の別の植木に何度かアシナガバチが偵察している姿を見かけましたが、私はまるで何かの儀式のように線香を焚いて、立ち去って貰うよう伝えました。

 

この線香は、一時的に蜂を興奮状態にしてしまう効果があるらしく、煙で酔っ払ったようなミツバチが、少し家のドアを開けている間に屋内に入ってきて、私や子供に纏わりついてきたりして、追い払うのが大変でした。

 

数日後、もう一つ別のアシナガバチの巣が、今度は母屋の軒下に作られ始めていることを義母から知らされ、驚きましたが、再度同じ方法で無事に撤去できました。

 

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女王蜂から頂戴した巣は、子供達に、それらが和紙と同じ製法で作られていることを説明するという、教育目的に使用するという大義名分で利用させてもらっています。このまま置いておいても、果たして卵から幼虫が生まれるのか、検証している所です。

 

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今回、アシナガバチの巣は、女王蜂しかいない間は、かなり簡単に撤去できることを初めて知りました。

 

今回の体験を通して、必要以上にハチを殺すのではなく、最低限の犠牲で、人間と虫との共存の道を探っていくことが、結局は、回り回って、人間の生存につながるのだろうと思いました。

 

女王蜂がこの季節、一匹でここまで巣を作り、それに卵を産みつけ、何日もの間その巣にしがみついて卵を守り続けることを知り、人間の母親として、畏敬の念を抱くようにもなりました。

 

蜂と人類、この地球により長く生存するのは、果たしてどちらなのだろうかと考えていると、人間にハチが必要だけれども、果たしてハチにとって人間は必要なのだろうか、という考えに辿り着くだけだったりもするのです。

司馬遼太郎さんの著作「人間というもの」に救われた話

前の記事で、一部のサポートしたランサムウェアの被害者からの連絡が途絶えていたことについて書きました。

その後、その方から連絡があり、ファイルの復号は苦労しながらも納得できる程度まで自力で完了できたことのお知らせと、多忙により私に連絡できなかったことへのお詫びをいただきました。

そして、サポートに対する謝礼も頂戴いたしました。

これで、身代金を支払った上でのファイルの復号のサポートをご依頼いただいた皆さんについては、対応が完了したことになります。

これからまだファイルの復号の依頼が全くないだろうとは言い切れませんが、取り敢えず一区切りついたものと考えて良さそうです。

これで私の気がかりも解消されました。

また、前の記事で、私が提供したサポートが正義かどうかについて悩ましく感じていたことに対し、司馬遼太郎さんのアフォリズム集の著作、「人間というもの」の中の一節が、私を励ましてくれました。

(なにごとかをするということは、結局はなにかに害をあたえるということだと、継之助は考えている。何者かに害をあたえる勇気のない者に善事ができるはずがない、と継之助は考えている。

『峠 上』

 

 

この物語に登場する継之助とはどんな人物か、私は全く知らなかったので、少し調べてみました。

「峠」は、長岡藩、今の新潟県の幕末の武士で、反新政府側として戦った、河井継之助についての物語ということでした。

以前は余り知られていなかった武士だったそうですが、この物語をきっかけに、良く知られるようになったそうです。

ランサムウェアへの身代金の支払いを違法としようとしている現代の政府に対する私の立場が、新政府軍に立ち向かわなければばらなかった河井継之助の立場と重なったりもして、私にとって味わい深い引用文です。

継之助は、「勝てば官軍負ければ賊軍」とはよく言ったもので、色々恨みを買っていたため、死後墓石が倒されたりしていたらしいのですが、その後年月を経て、その生き方が再評価されるようになっているそうです。

確かに、世の中に絶対的な善事など、実は存在しないのかもしれません。

それでも、私は自分が善事だと信じることを、これからも追い求めて行きたいと思います。

司馬遼太郎さんの著作については、特に歴史小説については、あまり読んだことはありませんが、「坂の上の雲」のNHKのドラマを夫が観ていたのを一緒に観てから、面白いと思うようになりました。」

最近では、通訳ガイドの勉強のため、「司馬遼太郎と寺社を歩く」も読んだりしています。歴史上の人物についての生々しい描写が、それぞれの史跡に関する解説の中に散りばめられていて、観光で訪れたつもりになって読むと、その時代にタイムトリップしたような気分になれ、歴史と地理が一緒に学べるので、重宝しています。

司馬遼太郎さんの著作と言えば、私が多分中学生だった時、父が私に本を読むようになって欲しいと思って、私を本屋に連れて行き、なぜか司馬遼太郎さんの「国盗り物語」と、スタンダールの「赤と黒」の文庫本を買って、読めと渡されたことをまだ覚えています。

それらは結局ほとんど読まなかったのですが、大学時代に、「赤と黒」の映画をビデオレンタルで見つけたので観てみたのを覚えています。あまりにもドロドロした内容だったと知り、父は一体なぜこの本を私に買ったのだろうかと、頭を抱えました。この本は余り読みたいと思えないまま、本棚に置き去りにされ続けていました。

一方、最近になって、前述の著作、「人間というもの」を読んで、「国盗り物語」については、主人公の斎藤道山が法華経を信奉していたことが随所に描かれていたことを知り、父が同じく法華経を信奉しているので、この著作を選んだのだろうと、やっと気づきました。この本も、あらすじだけは知るようになったのですが、私は歴史小説ファンではないので、さすがに今でも読破しようとは思えません。

本を読めと私が幼なかった頃からしつこく私に言い聞かせてきた父ですが、そんな父が本を読んでいる姿をほとんど全く見たことはありませんでした。

今では私は本を数冊は持たずに外出できないような本好きになりましたが、世の中には、みんなそれぞれ、興味が持てる本と、興味が持てない本があるもので、特定の本を、「読むべき本」としてお互いに誰かに押し付け合うものでもないと思います。

読者は、本の中に、自分の一部を見つけた時だけ、その本に引き込まれるのでしょう。

好きな本を好きな時に好きなだけ読めばいい、それが私の読書スタイルです。

これまでこちらのブログでは、あまり書評を書いたりはしたことがなかったのですが、これからは、少しずつでも読んだ本の紹介もしていきたいと思います。

正義について

昨年から現在まで、父の会社がランサムウェアのdeadboltの被害に遭ったことがきっかけで、父だけでなく日本中、世界中の被害者の方々のサポートを慈善事業として引き受けてきました。

身代金を支払ってでも復号したいと私に相談いただいた皆さんについては、ほぼ100%データの復旧に成功してきました。

中には、身代金を支払わずに復号キーを入手できた方もいました。その方は、幸運にも犯人の攻撃の途中で暗号化プロセスを切断できたのです。

ただし、その方は、復号用プログラムを犯人が仕込むのも阻止してしまったために、私が父の会社のNASから入手した犯人の復号プログラムを、その方のNASに移植するなどの処理が必要でした。

大半の相談者が、私のサポートに対して感謝の言葉と、精一杯の謝礼をくださいました。

しかし、中には、他のどこに相談しても無理だったことをやってのけた私のスキルを賞賛しながらも、犯人のビットコインアドレスに出金でき、復号キーを入手すると、パタリと連絡が途絶えた方もいました。日本人の相談者でした。

LINEの既読がつかなくなったので、多分ブロックされたのだと思います。

その方にとって、多分私は、犯人の仲間と同じような存在なのだろうと思います。

私は、その人に必要とされたサポートを提供することが、正義だと信じて、身代金の支払いを手伝ってきました。

しかし、こういうことがあると、元々メンタルがそれほど強くない私は、自分がしてきたことは本当に正義だったのだろうかと、疑いの気持ちが生じてしまい、塞ぎ込んでしまいそうになります。

人助けをすることには、自分の手助けが原因で、相手に感謝されるどころか、逆に憎まれるリスクを負う覚悟が必要です。

それでも、私が「慈善事業」であると信じて取り組んできたこのサポートが、正しいことであったと信じたいと思います。

私は、犯人に犯罪資金提供するために、身代金の支払いを手伝ってきた訳ではなく、被害者の大切なデータを復旧するお手伝いをするために、サポートしてきただけだからです。

礼金も強要したことは全くなく、被害者の方がお礼がしたいとおっしゃってくださった場合だけ、受け取ってきました。

復号できたかどうかについての結果を知らせもせずに音信不通になった方は、それで本当に幸せでいられるのだろうかが心配です。

そういう方は、殺伐とした世の中で、人との繋がりへの信頼を失ってしまっているように感じるからです。

私は、謝礼をいただけなかったことを気にしている訳ではなく、これだけ誠心誠意、サポートしてきた人間に、そのような態度がとれる人が存在するという事実に、震撼しているのです。

せめて、ファイルが復旧できたことお知らせいただき、簡単でもいいので一言お礼の言葉だけでもかけてくださったら、私はそれで満足なのです。

日本の将来は、彼らのような心を病んだ人を、救えるかどうかで決まるような気がします。

私は、自分がホワイトハッカーでありたいという理想への願望という幻想を抱いていることは自覚しているけれど、それでもやはり、本物のホワイトハッカーでありたいと思うのです。

個人事業主としての私の各種事業の紹介

皆さまご無沙汰しております。

今年も確定申告の時期がやってきました。私も昨日やっと着手しましたが、まだまだ先は長いです。

昨年の父の会社での事件がきっかけで、こちらのブログがランサムウェアのDeadbolt関連の記事ばかりになってしまい、他の話題について書くことが長い間憚られてしまっていました。

しかし今日は、私が個人事業主として手掛けている事業、特に一般のお客様向けのサービスについてこちらでご紹介することで、そのような閉塞感を打破しようと思います。

ランサムウェアのDeadboltの被害者のサポートは、私の手掛けている事業のほんの一部に過ぎません。それは私の事業と言うよりは慈善活動なので、事業と呼ぶのも何だかしっくりきません。というか、もしこんな事業を主軸にしてしまったら、他人の不幸に依存するようになってしまいそうなので、私の性に合わないのです。

確かにIT関連のお仕事も色々請け負ってはいますが、それらでさえ、私の事業の主軸ではないという感覚で取り組んでいます。

という訳で、今後も主にコミュニケーション関連サービスを強く表に出していきたいと考えております。

各種の英語のレッスンを提供

私が個人事業主として働く主軸の事業は、やはり英語関連の事業です。

中でも、英語教育のお仕事は私にとってかけがえのない生き甲斐となっています。

英検合格を目指す子供さんから、英語学習のやり直しがしたい社会人まで、様々な世代の生徒さんの英語学習のお手伝いをさせて頂いています。中学・高校の英語の教員免許を取得しておりますので、教育面でもサポートができます。

昨年は、公認心理師になるため心理系の大学院入試を控えた生徒さんに英語のレッスンを提供してきましたが、今年無事合格し、この春から晴れて大学院生となる予定です。今後も、英語の学術論文の読解の指導を継続させて頂ける予定となっています。

又、多くの子供さんや社会人の英検の2次試験対策のための英語レッスンを提供し、その大半を合格に導きました。

社会人の方で、会社で社内通訳として活躍できる英語力を身につけることを目標に、英語のコーチングをご希望頂き、現在レッスンを提供させて頂いている生徒さんもいらっしゃいます。TOEICを受験するご予定とのことですが、実践的な英語力を習得して頂くことを目標としたレッスンを提供しています。

生徒さんが各種試験に合格なさった時の喜びの声が、私にとって何よりの励みとなっています。

英語学校のクリスマスイベントに参加した次男

英語のレッスンを提供している様々なプラットフォーム

これまでにも、様々なプラットフォームでの生徒さんとの出会いがありました。

中でも、Cafetalkというプラットフォームでは、これまでに数多くの感動を生徒さん達と共有してきました。

bit.ly

また、ジモティーでも英語講師として登録しているため、そこから英語のレッスンのご依頼を頂くこともありました。

jmty.jp

さらに、台湾のプラットフォームのAmazing Talkerを通して、英検の2次試験対策のレッスンを提供しています。海外在住の日本人で英検取得を目指している子供さんから、英検の2次試験対策のご依頼を多数承ってきました。彼らはすでに申し分ない英語力をお持ちである場合がほとんどですが、英検の面接という独特な試験となると、やはり特別な対策の必要性を認識していらっしゃるため、私にご依頼くださるということです。

jp.amazingtalker.com

英語のレッスンは、基本的にオンラインレッスンとなっていて、そのほとんどすべてがSkypeまたはZoomでのプライベートレッスンとなっています。

現在の授業料は、レッスンの内容や回数にもよりますが、1レッスン50分あたり2000~2500円となっています。

レッスン提供の時間帯としては、通常、平日の午前9時から午後2時までと、日祝の午前中となっています。

もしこちらのブログをお読みになり、私の英語のレッスンをご希望でしたら、LINEで下記のLINE IDを検索してお友達に追加し、はてなブログをお読みになった旨のメッセージをお送りいただき、お気軽にお問い合わせください。

LINE ID: @erikowilde

 

通訳/翻訳サービス

また、通訳や翻訳のお仕事も、毎回様々な発見がある、心から楽しみながら取り組むことができるお仕事です。

様々なルートでお客様からのご依頼を請け負っていますが、人との交流が大好きな私にとって、特に通訳のお仕事は、自分の本領が一番発揮できるお仕事だと感じています。

UnbabelというAI翻訳のプラットフォームでのお仕事については、以前こちらのブログでも記事を書きましたが、現在ではシニア・エディターに名誉ある地位に昇格させて頂き、継続してAI翻訳の編集のお仕事をさせて頂いています。以前はエディター紹介制度があったのですが、現在のところ追加のエディターの募集はしていないそうです。

 

elly-nayuta.hatenablog.jp

 

又、父の会社からも在宅でできるお仕事として、翻訳の仕事を請け負ったりもしています。

翻訳については、作業内容にもよりますが、単価は概ね下記の通りです。

日英翻訳: 1文字8円〜12円
英日翻訳: 1ワード8円〜12円
(原文を拝見してからのお見積もり)

 

又、通訳についても、内容にもよりますが、単価の目安は下記の通りです。

日英・英日オンライン通訳: 1時間あたり:5000円

日英・英日出張通訳: 1時間あたり:5000円
           半日(4時間以上6時間未満):18,000円
           終日(6時間以上):25,000円  

※出張通訳に必要な交通費は別途支給願います。

(事前準備が必要な高度に専門的な内容である場合には料金が高くなります)

対応可能な翻訳および通訳の分野としては、観光、アート、音楽、金融、法務、各種製造業、学術関連など、幅広い分野での会議通訳、アテンド通訳、商談通訳、ガイド通訳の経験があります。

通訳として登録している各種プラットフォーム

これまでに、下記のリンク先のくらしのマーケットというプラットフォームで集客して参りましたが、こちらのブログからでも直接お仕事を承りたいと考えています。

昨年は通訳として、米国の未請求財産の請求の手続きのお手伝いをさせて頂く機会があるなど、新しい経験を積むことができました。最近では公証人署名をオンラインでの面談で取得できるサービスも生まれており、領事館などに足を運ばずに手続きが完了できるので、それを利用して新しい事業を開拓できるかもしれないと考えています。

curama.jp

又、香川せとうち地域通訳案内士としても、香川県の公開名簿に登録しています。

kagawa.tsuyaku-guide.com

 

もし通訳・翻訳サービスのご利用の途がございましたら、下記のLINE IDを検索してお友達に追加し、はてなブログをお読みになった旨のメッセージをお送りいただき、お気軽にお問い合わせください。

LINE ID: @erikowilde

 

東洋占星術による易断

さらに、東洋占星術の占い師としても、細々とですが活動しています。

主に四柱推命で易断を行いますが、心理カウンセラーやメンタルヘルススペシャリストなどの心理系の資格を取得しておりますので、占い心理カウンセラーのようなスタイルでの易断を特徴としています。

四柱推命の手書きの命式を作成し、それを元に基準となる性向や人生全体の運気の流れを観て、現在の運勢を易断します。

料金は下記の通りです。

鑑定1名につき、50分3000円(相談者1名の命式を作成を含む)

易断はSkypeまたはZoom、可能であれば対面でも行います。

もし私の易断をご希望でしたら、下記のLINE IDを検索してお友達に追加し、はてなブログをお読みになった旨のメッセージをお送りいただき、お気軽にお問い合わせください。

LINE ID: @erikowilde

 

現在の個人事業主としての課題は、独自のプラットフォームでの集客を可能にすることです。

その手段としては、やはり独自に集客用のウェブサイトを構築することが最善だろうと考えています。

そこで、今年の目標の一つとして、私の個人事業の内容を網羅した日本語の集客用ウェブサイトを作ることを掲げたいと思います。

また、こちらのブログも、集客のために記事を書くという目的で執筆することにより、これまで以上に読者のニーズに応えるためのコンテンツを充実させていきたいと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

オランダ政府がdeadboltランサムウェアの身代金を支払わずに復号キーを入手

先日、deadboltランサムウェアの身代金を支払ってすぐには復号キーが発行されなくなっている件について投稿しました。

そして今日、Googleで検索していた時、とある記事を見つけました。何でも、オランダの警察が、deadboltランサムウェアの身代金を支払わずに、155個の復号キーを入手した、ということでした。

www.bleepingcomputer.com

オランダ警察は、ビットコインの取引が多い時間帯に身代金の支払いを行うと、ブロックチェーンでの確認が遅くなることを利用して、一旦身代金を支払ったと見せかけて、OP_RETURNの書き出しをさせた後、確認が終わる前に取引をキャンセルするという方法で、復号キーを入手したそうです。なんとも見事な手腕だと思います。

オランダ警察が入手した復号キーは、こちらのサイトで公開されているそうなので、まだ復号できていない方は、一度ご覧になって確認していただくと良いかと思います。こちらでは、ランサムノートに記載されたビットコインアドレスを入力するか、暗号化されたファイルをアップロードして、復号キーを検索することができます。

deadbolt.responders.nu

どうやら犯人は、上記のような手法での復号キーの入手を防ぐために、OP_RETURNを、身代金の支払いと同時に書き出すのを止めたようです。

上記の理由で、犯人は数日に一回、おそらく手動で復号キーを発行するようにプログラムを切り替えたため、身代金の着金と同時に復号キーが発行されなくなってしまっているようです。

犯人の行動の理由がこのようなニュースで明らかになるのは、大変興味深いです。

ランサムウェアdeadboltの身代金の行方

久しぶりの投稿です。

先日、9月3日の世界一斉攻撃の被害者の方のデータの復号をサポートし終えました。

これまで通常でしたら、身代金を支払うと、着金とほぼ同時にOP_RETURNがブロックチェーン上に書き出されていたのですが、その時点では、2、3日に一回だけ書き出しが行われるようになっているようでした。

この作業が、おそらく以前は自動で行われていたのですが、犯人が何らかの事情で、どうやら手動で行うように、切り替えているように思われます。

最も最近の被害者の方の復号キーが、着金後すぐには発行されず、身代金を支払った2日後に発行されたので、その間は私もかなり不安でした。

deadboltの復号キーを取得するために支払われた身代金の気になる行方について書きます。私がサポートした方に犯人から割り当てられたビットコインアドレスや、その他のビットコインアドレスに目を光らせてはいるのですが、どのビットコインアドレスからも、一向に出金される気配がなく、不思議に思っています。

犯人は、この蓄積されたビットコインをいつどのように出金するつもりなのか、それともずっと出金されないままになるのか、ずっと気になっています。

また、この身代金を犯人が全く入手していないということは、犯人の資金源は一体どこにあるのだろうかということも、不可解に感じてしまいます。

何はともあれ、少なくともdeadboltに関しては、9月にQNAPがゼロデイ脆弱性を解決したとの報告を公表しましたので、今後新たな被害者は増えないだろうと期待しています。

近い将来、犯人グループが捕まって、まだ復号できていない皆さんが、身代金を支払わずに復号キーを入手できるようになる日が来ることを信じています。